最近何かと話題の移民や人種に関する問題ですが、先日、こんな「人種差別」に関する話がニュースになっていました。
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Missouri NAACP: Exercise Caution in Our State
“Missouri NAACP issues advisory telling travelers to the state that their civil rights may be in danger.”(出典元:US News)
NAACPとは、National Association for the Advancement of Colored People=全米有色人種地位向上協会の略で、全米で最も古い公民権運動組織です。
そのNAACPが、先日ミズーリ州の議会で発表されたJim Crow bill (Jim Crow法案)は、有色人種の差別につながるとして、有色人種へ向けてミズーリ州への渡航警告を発令しました。
普通なら「渡航警告」というと、災害やテロ、紛争地帯や政治的な事由、または伝染病の流行などを理由として発令されるので、今回発令された有色人種の方々への渡航警告は、米国内でも波紋を呼んでいます。
未だアメリカに色濃く残る、有色人種への差別
21世紀入った今でも、アメリカでは有色人種への差別はあります。
特に地域によっては、それはそれはとても深刻で、職場で…家の近所で…学校で…レストランで…など、ありとあらゆる場所で、感じ取ることができます。
表向きには「差別しない」と言っている人でも、自分の周りに有色人種の移民が増えてきたり、実際に有色人種が会社でボスになったりすると、あまりよく思わなかったりと、隠れ差別主義者の人も多いといいます。
今回、NAACPは、Jim Crow法案により、ミズーリ州にて人種・年齢・性別などによる差別案件を、法で裁くのが(立件して法廷で争うのが)とても難しくなるであろう…よって、差別が横行するのではないか…という懸念により、有色人種の人々に向けて「渡航警告」を発令したようです。
ただ、少し、NAACPが過敏に反応しすぎではないか…という声も聞かれます。
CNNの記事にもあったのですが、もともとミズーリ州の、性別や年齢・人種差別に対する判例を見ると、ほかの州よりも差別が認められやすくなっている(原告側の主張が通りやすくなっている)ようで、今回の法案により、ほかの州と同程度の水準になるであろう…とのこと(このBill(法案)の支持者談)。
なので、各段に有色人種やマイノリティにとって、不公平な法案ではない、との主張です。
もちろん、NAACPはそのような見方をしていないので、今回の渡航警告を発令するに至ったわけですが…。
今後もこの問題、さらなる議論を呼びそうなので、ちょっと注目しておくことにしようと思います。
今日の英単語!意味のおさらい
NAACP: National Association for the Advancement of Colored People。
Colored Peopleとは、有色人種のことです。
Advancement…ここでは、地位向上という意で使われています。
BILL: このニュース内に出てくるBillとは、請求書などではなく、法案という意味です。(そしてBill(法案)がAct(法令)となります。)
人種差別関係のニュースは、難しい単語もたくさん出てきますが、米国在住の方はもちろん、これから米国へ渡航予定の方も、アンテナを張っておきたい分野だと思います。
また、日本は単一民族国家なので、あまり人種差別が身近に感じられないかもしれませんが、しっかりと予備知識だけは持っておきたいものです。
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